5月の初旬、「愛護動物担当部署を置いて欲しい」という内容の文書に対して、市長署名の定型回答分が多くの皆さまに差し出されたようです。
御参考までに『動物の愛護及び管理に関する法律』の「第1章 総則(目的)第1条」を引用します。
『この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養(かんよう)に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。』
定型回答文は下記です。(但し部分引用)
『ご要望の「動物愛護管理法の執行所管担当」について、回答させていただきます。本市では、これまでも動物を愛護する気風の招来、生命の尊重、友愛及び平和の情操の滋養(じよう)という同法の趣旨に鑑み、(以下、省略)』・・・などと文章が続きます。そして結論は・・・『本市といたしましては改めて執行所管担当を設置する予定はございません。』『平成22年5月○日 ○○○市長 □□ □』と、『□□ □』は、市長の名前です。
この市役所に、人と愛護動物を対象にする施策執行を受け持つ専門部署が、もしあったならば、法の目的である『動物を愛護する気風の招来、生命の尊重、友愛及び平和の情操』を食べてしまこともなかったでしょう。やはり一日も早く『動物の愛護及び管理に関する法律』を適切に解説できる担当職員が必要と思われるのです。
ちなみに『涵養(かんよう)に資する』を辞書で引いたところ『[涵はひたす]水がしみこむように、少しずつ自然に養い育てていくこと。教え養うこと』でした。『[資する]は、あることをするのに役に立つ。たすけになる。』です。
一方の滋養は、『身体の栄養となること。また、そのもの。』ですので『慈養。いつくしみ大切に育てる事。』と間違えたのでしょうか?
動物愛護法を「ザル」という声も多数ですが、法の施行官である役人の教育が「法改正」以前に重要と思われます。我が国には、動物が命あるものであるとする「動物基本法」がありません。現行法を多くの人々の役に立たせて使うためには、「情操の涵養」も「食物の滋養」もイッショクタの行政施策ではいけません。ザル法と呼ばれながらでも、それなりの上手な使い方がまったく無い訳でも無いと思うのです。
各地方自治体に担当職員を置き、職員に教育の機会を与えることは、ザルと呼ばれる動物愛護法の法令順守の中で、議会にかけなくても、条例を変えなくても、首長がその気になれば可能な措置です。
